2013年6月19日(水) 校長講話(6月)

h250619kouchou01.jpg h250619kouchou02.jpg

 今日は「なかよし旬間」に寄せたお話をします。
  6月15日、東小学校の運動会を盛大に行うことができました。一人一人の頑張りでテーマ「全力 協力 運動会 いつやるの? いまでしょ!」を見事に達成し、大成功でした。皆さんはいろいろな種目に取り組みましたね。そこで、今日のお話は「動物大運動会」というお話です。
 「もし、人間も含めいろいろな動物達が集まって一緒に運動会をしたら...」
さて、どんな結果になるでしょうか。

 まず、「幅跳び」をしました。一番遠くまで跳んだナンバーワは、どの動物でしょう。
 結果は、こうなりました。1位はレイヨウ(アフリカのシカの仲間)とヒョウで15mも跳びます。15m というと、ここからここまでです。(体育館に15mの距離にポールを立てました。)すごいですね。続いて、 カンガルー、ピューマと続きます。そして、人間は世界で一番遠くへ跳べる人の記録で、8m90㎝でした。 イヌも8m近く跳ぶんだね。皆さん、自分と比べてどうですか。校長先生は1mくらいしか跳べません。

続いての種目は「高跳び」です。一位はだれかな?。人間は何番目かな?

h250619kouchou03.jpg h250619kouchou04.jpg

 一位はピューマで、7mも高く跳びます。天井に届いてしまいそうです。次は海にいるシャチ、イルカで  す。水族館でジャンプを見た人もいると思います。さて人間は何番目でしょうか。カンガルー、インパラと  続き、人間は後ろから2番目の2m30㎝でした。これも世界記録です。

 次は「短距離走」かけっこです。一位は、そうです、皆さんが言ってくれたもチーターです。時速120km で走ります。あのボルトさんは100mを9秒台で走りますが、テーターは何と100mを3秒で走ります。 ものすごい速さだね。続いてシカ、ライオン、ウサギも速いね。シマウマ、カンガルー、キリン、ときて...  あれ、人間は・・・、ゾウより遅くて何と最下位でした。

h250619kouchou05.jpg h250619kouchou06.jpg

 最後に「マラソン」です。一位はガゼルというシカの仲間で時速80kmでずっと走り続けることがきます。次はロバ、コヨーテ、トナカイ、ラクダと続いて人間はマラソンでも最下位でした。

 今、いろいろな動物の能力を見てきましたが、「それぞれの動物が、皆、すぐれた能力を持っていること」がわかります。それは、速く走ったり、遠くや高く跳んだり、速く泳いだりする力だったり、鳥のように遠くの小さな物を見つける目や、フクロウのどんな小さな音も聞き取る耳や、イヌのようににおいをかぎ分ける力だったりもします。これらの力は、それぞれの動物が獲物を捕らえる時、そして、逆に自分が捕まって食べられてしまわないよう敵からにげる時にとても役立ちます。

 つまり、これらの力は「動物が生きていくためのとても大切な力」です。
 それでは、私たち人間はどうでしょう。 さっき、動物のいろいろな力比べをしましたが、人間は、走ったり、跳んだり、泳いだりするどの力も、他の動物にはかないませんでした。 目や耳、鼻も、他の動物に比べけして決して優れてはいません。けして強い生き物ではない、むしろ弱いといってもよい人間は、大昔からもっと力の強い他の動物たちの中で、どうやって生き残ってきたのでしょう。 「人間は、生きていくためにどんな力をもっているのでしょう。」これが、今日のお話の一番のテーマです。皆さんで、考えて見てください。

 するとある人は「人間は他の動物と違って火を使うことができるよ」と言いました。また、ある人は「道具を使うよ」と言いました。「いろんな物を発明するよ」「橋や道路やビルやいろんな 物を作るよ」「空だって飛べるし、海に潜ることだってできる。どこでも行けるよ」とも言いました。これは確かに事実です。しかし、このことがいつしか「人間は頭がいいから、何でもできるんだ。どの生き物よりも強くてえらいんだ」という気持ちを生んでしまいました。これは、間違いだと私は思います。その間違った思いが自然を壊したり、動物の絶滅など大きな問題を引き起こしています。

h250619kouchou07.jpg 

 弱い人間が生き残ってきた本当のかしこさ、一番人間らしい力は、

 ◎みんなで力を合わせることができること」そのために

 ◎「相手がどんな気持ちでいるかを推し量れるえられること」

  だと私は思います。推し量るとは、考えだること、思い描いてみ ること、想像してみることです。

h250619kouchou11.jpg h250619kouchou08.jpg

 これは、組み体操の最後、ピラミッドが完成した瞬間です。土台になる人は、上に乗る人が少しでも安心できるように、歯を喰いしばって支えました。上に乗る人は、下の人を思い、痛くないように心を配って乗りました。この人は、頂上の人が立っているか心配して見つめています。こうした相手を思う一人一人の心が一つになってこのピラミッドができあがりました。

 これこそが、人間らしい姿です。

h250619kouchou09.jpg 

人が生きていくとき、「一番うれしいこと」

 ・みんなで力を合わせて何かを成し遂げること

 ・自分の力が他の人のために役立ったと感じること。

 ・自分の思いを分かってもらったとき

 ・人に親切にしたり、されたりしたときのありがとうの一言

  生きていく勇気や希望をもらうことができます。

 人が生きていくとき、「一番悲しく、つらいこと」

 ・仲間外しにされること

 ・無視をされること

 ・悪口や冷やかしを言われること

 ・いじめられること

  生きていく勇気や希望を奪うことになります。

 本当に悲しいことですが、つらくて悲しくて自ら命を絶ってしまう  人もいます。私たち人間は、決して一人では生きていくことはできません。だから力を合わせること、相手を大切にする心をもっています。 逆に、一人では生きていけないということが分かっていて、仲間に入れないことが人にとって一番つらいことだと言うことが分かっているから、仲間外しや無視をします。そういう恐ろしい心ももっているのも私たち人間です。そのことを決して忘れてはいけません。

h250619kouchou10.jpg

 今週の月曜日から「なかよし旬間」が始まりました。「なかよし旬間」のめあては、

   ◎ 自分や友だちのよいところをたくさん見つけよう

   ◎ 兄弟学級の友達と仲良く遊ぼう

 です。

 この旬間中には、いろいろな取り組みがあります。そのことを通して、是非「自分の心や生き方を見つめ、 友達の思いを推し量り、行動に表す旬間」にして下さい。