2019年1月 9日(水) 3学期始業式

1月9日に3学期始業式がありました。 

<3学期の目標の発表>  
  5年生のお友だち4人から3学期の目標の発表がありました。


 下級生に優しくしたい、大きな声であいさつをしたい、無言清掃で学校をみがきたい、自分で考えて行動できるようにしたい、等、各自の目標を発表してくれました。5年生ということで最高学年になるという自覚を持って過ごしていきたいという気持ちが表れた発表でした。

 

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 <校長講話> 

 校長先生からは、以下のように、「心に夢のタマゴを持とう」と言うお話がありました。

 

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 いよいよ平成30年度3学期が始まりました。1月9日~3月15日までの46日間です。 

 冬休みの合言葉は「AKK13」でした。安全で健康で健全な13日間だったでしょうか。

 三学期でも大事なことは、立ち止まって考えることです。

 自分がしようとしていること、言おうとしていることが大丈夫か確認して生活していきましょう。くつのかかとは大丈夫ですか。

 

 皆さんは、小柴昌俊さんという方を知っていますか。小柴さんは、2002年に、ノーベル物理学賞を受賞された物理学者です。今日は、小柴さんの人生を振り返りながら、3学期や新しい年に大事にしたいことを考えていきましょう。

 

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 小柴さんは、1926年に愛知県に生まれました。横須賀市に引越しした小柴さんは、「将来は、音楽家か軍人になろう」と、陸軍幼年学校を受験する準備を進めていたそうです。しかしながら、受験1か月前に、小児まひにかかってしまい、手足にまひがのこった後遺症のため、音楽家の道も軍人の道もあきらめざるを得なかったそうです。 

 病気の治療中であった小柴さんに、物理学と出会わせたのは当時担任だった金子先生だそうです。金子先生は、アインシュタインらが書いた「物理学はいかに創られたか」という本を送ったそうです。小柴さんが物理学に興味を持ったきっかけになったそうです。

 小柴さんが物理学の道へ進もうと決めたのは、物理学教授の話し声を思わず聞いてしまった時だそうです。

 「小柴は物理のできが悪い。物理学へ進むことはありえんだろう。」恥ずかしくて寮の部屋へ戻った小柴さんでしたが、悔しくてしょうがない。

 小柴さんは、物理学へ進むために苦手な物理の猛勉強を始めたのだそうです。

 努力の甲斐があって、東京大学理学部物理学科へ入学することができました。

 苦労して進学した物理学科ですが、成績はかなりわるかったようです。のちにノーベル賞を受賞された朝永振一郎(ともながしんいちろう)博士に、アメリカの大学へ留学するために推薦状を書いていただき、なんとか留学することができたそうです。

 小柴さんは、講演会のたびに、当時のことをふりかえりながら次のように若い世代の人に話しているそうです。

「オレはもうだめだ」と思ったら何もできないけれど、「なにくそ、食わなきゃならないんだ」と思って一生懸命やれば、何とか道は開けるのだと君たちにお伝えしたい。

 

 さて、小柴さんはニュートリノの研究が認められノーベル賞を受賞されました。

 ニュートリノとはなんでしょう。校長先生にはまだ理解できていませんが、説明してみます。

 みなさんの身の回りにあるものは、分子という小さなものできています。

 例えば、水は水分子という分子が集まってできています。水分子は、水素原子2個と酸素原子1個がくっついたものです。

 原子は、中心になる原子核とその周りをまわっている電子でできています。

 原子核の中を見ていくと、核子である陽子と中性子があります。その核子の中は、クォークと呼ばれる素粒子が3つあるそうです。

 素粒子は、電子の属するレプトンがあり、ニュートリノはこのレプトンの中の粒子だそうです。 

 ニュートリノは宇宙からも地球に届いていて、例えば、太陽からは一平方センチメートルあたり、毎秒約660億個も降り注いでいるそうです。

 でも、小さい素粒子のため、皆さんの体も校舎も地面も通り過ぎてしまうそうです。ですから、ニュートリノをとらえることは大変難しいのです。

 小柴さんは、絵にあるような地下1000メートルにカミオカンデという装置を作り、3000トンの水に入ってくるニュートリノを世界で初めて観測したのです。

 観測を始めた直後、大マゼラン星雲で383年ぶりに超新星爆発がおき、けた外れのニュートリノがふりそそいだという幸運にも恵まれたそうです。

 

 その後、研究を引き継いだ人々が小さい素粒子にも質量があることを観測したそうです。 

 

 さて、小柴さんは講演会のたびに、若い人々に向かって「心に夢のタマゴを持とう」と話をされているそうです。

「どんなときでも、ああ、自分はだめだなんていわずに、自分のやりたいことはこれなのだと、

 夢のタマゴを持ち続けて頑張ってごらんなさい。道が開けるかもしれないよ。」とおっしゃっています。

 

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 皆さんも、自分は何になりたいか、どんなことをしたいか、どういう勉強をしたいか、どのような生き方をしたいかなど、いろいろ考えて心に「夢のタマゴ」を何個か持つようにしてほしいと思います。

 そして、山中教授が言う魔法の言葉「VとW」、目標を決めて一生懸命取り組む。何でもできそうな気がしてきますね。

 3学期あるいは今年のめあてを、今日の話を参考に決めてほしいと思います。 

 今年度、みなさんとは次の3つのことを確認しています。

 粘り強く学習に取り組む。安全な生活を送る。2学期はけがが多かったです。そして、自分と同じぐらい友だちを大切にするために、自分に尽くす 他にも尽くす人になってください。