2009年7月28日(火) ご注意 滲出性中耳炎

  プールや海、水に親しむこの季節「ことばの教室」として注意しているのが滲出性(しんしゅつせい)中耳炎。中耳炎ですから、鼓膜の向こう側あたりの炎症なのですが、その中でも、特に滲出液がたまって音が聞こえにくくなるものをいいます。発音のことで「ことばの教室」を訪れるお子さんの中にもこれが原因だったということが少なくありません。
 70%~90%は小児期にかかり、5~7歳にピークがあるということなので、保育園や幼稚園に通っているお子さんや小学校低学年のお子さんは、特に注意が必要です。統計では、1・2年生が100人いれば3人は現在かかっていることになり、小学校入学までに5人に4人は浸出性中耳炎を経験しているそうです。
 やっかいなのは、その80%が無自覚であること。まわりが気づかないとそのままになってしまいます。風邪をひいた後、「聞き返しが多い」「テレビの音を大きくする」などが見られたら要注意です。
 幼児期であれば発音にあらわれます。また、小学校にあがってからも、放っておくと鼓膜と中耳内壁が癒着してしまい(癒着性中耳炎)手術でも、完全な"きこえ"の回復が困難になるそうです。さらに、情緒面や学習面への影響も報告されており、早期発見、早期治療が必要です。
 アデノイドや扁桃の大きいお子さんや、副鼻腔炎(ちくのう症)のお子さんはなりやすいのですが、定期的に通院していることが多いので、大事には至らないと思います。気をつけなければいけないのは、風邪をひいた後。特に以前急性中耳炎を経験しているお子さん。風邪の諸症状が治まっても前述の症状がないか注意をしていてください。