2017年3月16日(木) 平成28年度卒業証書授与式

3月16日、平成28年度卒業証書授与式がさわやかな日射し中、厳粛に執り行われました。

6年間の小学校での学習を全て修了し、85名の子どもたちが巣立って行きました。

一人ひとり胸を張り、卒業証書を受け取る姿は、本当に立派でした。卒業生の未来に幸多かれと祈ります。

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~学校長式辞より~

みなさんが入学した6年前、日本は未曾有の大震災の直後で先行きが見えない不安に包まれていました。同時に、お互いを思いやり、力を合わせて立ち上がり前へ進む日本人のすばらしさに世界中が驚きました。みなさんも、この6年間にご家族、友だち、先生に見守られながら、自分自身の力で立ち上がり、よりよき人として生きるための素地を作り上げてきました。そして、自分と友との違いを認めるやさしさを知り、力を合わせて成し遂げる達成感を味わってきたことと思います。

本校を卒業するみなさんに、お祝いの気持ちを込めて、言葉を贈ります。
それは、「あこがれをみつけ、考えて、行動しよう」です。
みなさんにとって、あこがれの人は誰ですか。ご両親、先生、先輩、スポーツ選手、歌手、俳優、芸術家、歴史上の偉人など、「あの人のようになりたい、同じように生きたい」という人はいますか。私は何人もいます。坂本龍馬、中学生の時の音楽の先生、大学の先生など人生の中で、すばらしい出会いがいくつもありました。出会いがあってからは、人生の様々な場面で迷ったり、困ったりした時は「あの人ならどうするだろうか」と考えるようになりました。ルールやマナーが面倒くさいと思う時、苦しさから逃げたくなる時など、あこがれの人の顔を思い出し、必死に考えました。考えて行動した結果は、苦しかったり、面倒だったりしましたが、不思議と気持ちがすっきりしたことを覚えています。
人は弱い生き物です。楽なこと、おもしろいこと、自分にとってだけよいことを選びそうになります。そんなとき、「人生のものさし」としてあこがれの人を思い出し行動する、そんな生き方ができる人になってほしいと願います。そうすれば、社会的に問題となっている「自己中心的な身勝手な行動」は、もっと少なくなり、いたわりに満ちた社会が実現できると思います。

「武士道」を書いた新渡戸稲造も「人生とは理想を行動に翻訳することだ」と言いました。理想、つまりあこがれです。あこがれを胸に実際に行動することで、少しずつ理想に近づいていくのです。しかし、人生はそう思い通りには進みません。たくさんの失敗の先にひとつの成功が待っていると思った方が現実的です。ですから、ひとつのことを行動し続けることはとても難しいので、やめてしまうこともあるでしょう。行動することをやめてしまってもいいです。でも、理想に近づきたい、あこがれの人に近づきたいと思う気持ちは捨てないでください。少し休んでもいいじゃないですか。少し休んだら、違うことでもいいのでまた行動を始めることが大切です。失敗しても、あこがれに近づくために、行動を始めることを続けられる大人になってくれることを信じています。みなさんなら必ずできます。丸子中央小学校の卒業生なのですから。