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2024年2月 5日(月)
お弁当の日


 学年に応じて、できる範囲を広げて取り組んだお弁当の日
(18年前から続いています)

清明小学校では、毎年2月上旬の休み明けに 「お弁当の日」 を設けています。このお弁当の日はいつもの"お弁当を持ってきてみんなで食べる日"ではありません。全校の子どもたちが食に関心を持ち、献立を考え、食材を選び、調理する等、お弁当作りに関わる日になります。

 

 【全学年共通のめあて】

◎お弁当作りに何らかの形で子ども自身ができるだけ関わりを持つ。
◎食物の命に感謝して残さず食べる。      
◎弁当箱などの容器を自分で洗って片づける。  
◎作ってくれた人に感謝して「ごちそうさま」「ありがとう」のお礼を言う。

 

 【この日に向けて、次のような学習を行ってきました】

●低学年:第二給食センターの栄養士さんによる「バランスよくたべよう」についての学習(2学期)
 学級での食に関する指導「食べものの名前を知る、覚える」学習 食育かるた等
●4年生:給食センター栄養士さんによる「バランスのよいお弁当」についての学習
●5年生:給食センター栄養士さんによる「地産地消・地域の食材」についての学習
●6年生:給食センター栄養士さんによる「自分のオリジナル弁当」についての学習

 そして、4・5・6年生は食に関する学習をもとに、児童それぞれが栄養バランスや食材について考え、食べたいお弁当をデザインし、栄養士さんにアドバイスをいただき、さらに考え直して準備を進めてきました。

 

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『お弁当の日』の低学年 保護者からの感想

 

● 兄が作った惣菜をつめるだけの作業だったが、ミニトマトを2つ入れるとからあげが入らなくなる等、各々のバランスを考えながら入れられることができていた。残さず食べ、自分で洗うことができ、よい経験ができたと思う。(1年 保護者)

● 6年生のお姉ちゃんが「自分でお弁当を作る」を目標にしていたので、一緒に作ってくれました(弟の分も)。そんな中でも、何か自分も手伝いたいという思いが強く、じゃがいもの皮をむいたり、ミニトマトを洗ったり、簡単なことではありますが手伝ってくれました。その積極的な姿勢が嬉しかったです。(2年 保護者)

● お弁当を一緒に考えるところからスタートし、子ども達のアイデアが生まれました。季節が節分であり、「おに」をテーマにすることに決定。姉妹で話し合いながら、楽しく取り組みました。自分が意見を出し、のりでおにを演出する、成長を感じました。(1・3年 保護者)

● 栄養のバランス・彩りを子どもたちと考えながら買い物をしました。自分たちが関わっていたため、残さず食べてきてくれました。(1・3年 保護者)

● 1年生→はじめてのお弁当作りで朝から早く起きてはりきっていました。買い物、作る前の準備、お弁当づくり、洗い物まですべてに関わりました。お弁当作りは母と一緒に行いとても楽しそうでした。良い経験となりました。
 3年生→1年生と一緒に行いました。1年生の子よりも少し難しい火の扱いやお米とぎなどもやってもらいました。「めんどう」と言っていましたが、お弁当づくりの大変さがわかったようです。帰宅後、「おいしかったー。」と言っていました。(1・3年 保護者)

● 楽しみにしていたお弁当の日でしたが、当日は体調を崩し、お休みしてしまいました。せっかくの機会なので、この週末にお弁当作りをする予定でいます。(3年 保護者)

● 月曜日の朝は個人的にとても忙しく、前夜に準備できることは、細かいところまで子どもと一緒にやっておきました。朝にすべてをやることは難しいと知ってもらえたと思います(笑)主催は、一番好きな鶏肉が良いということで唐揚げに。「3年生で作った『味噌』は絶対に使おう!」などメニューを1つ1つ一緒に考えてみました。小食の息子ですので、少しでも食べ物に興味を持つきっかけになりました。お米は自分で研いでもらいました。(3年 保護者)

● 材料の買い出し、前日の夜の仕込み、当日の盛り付けを子どもが主にやりました。ピーラーを使って皮をむいたり、野菜をお肉で巻くことを楽しく感じたようです。調理をしたかったみたいですが、私の朝が早いのと普段全くやらせていないので今回はできませんでしたが、時間のある時に火の使い方など一緒に出来るようにしていこうと考えています。(3年 保護者)

● 今回のお弁当は、大好きな「からあげ」を自分で作ってみました。鶏肉をフォークで刺し、味付けをして一晩置く。揚げる前に片栗粉をまぶす。これが自分の大好きな「カリカリ」になることがわかりました。お弁当に詰めてみました。いつもより少し量が多いかなと思いましたが、しっかり完食!! 家族にも「おいしい!」と言われ嬉しそうでした。私も一緒に作れて楽しかったです。(3年 保護者)

● 今回で3回目だったお弁当の日は、メニューを決め買い物に行くところから張り切っていました。都合により直前でメニューを変更したり、当日の朝も早起きして全て自分でやるつもりが目覚まし時計が鳴らないアクシデントもありましたが、臨機応変に動くこともでき、朝ほとんどのメニューを自分で作り、お弁当に詰め、お友達と楽しく食べることができたようです。お弁当箱や水筒も自分で洗い、ついでにシンクのおそうじまでしてくれました。できることが増え、毎年成長が感じられます。本人も楽しかったようです。(3年 保護者)

 


 

 弁当を作る

 (平成14年度 滝宮小学校の卒業生に贈ったことば・卒業文集への寄稿)

 

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あなたたちは、「弁当の日」を2年間経験した最初の卒業生です。

 

だから11回、「弁当の日」の弁当づくりを経験しました。

 

「親は決して手伝わないでください」で始めた「弁当の日」でしたが、どうでしたか。

 

食事を作ることの大変さが分かり、家族を有り難く思った人は優しい人です。

 

手順良くできた人は、給料を貰える仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。

 

食材が揃わなかったり、調理を失敗したりしたときに献立の変更ができた人は、工夫できる人です。

 

友だちや家族の調理のようすを見て、技を一つでも盗めた人は、自ら学ぶ人です。

 

微かな味の違いに調味料や隠し味を見抜いた人は、自分の感性を磨ける人です。

 

旬の野菜や魚の、色彩・香り・触感・味わいを楽しめた人は、心豊かな人です。

 

一粒の米・一個の白菜・一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。

 

スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は、賢い人です。

 

食材が弁当箱に納まるまでの道のりに、たくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。

 

自分の弁当を「美味しい」と感じ「嬉しい」と思った人は、幸せな人生が送れる人です。

 

シャケの切り身に、生きていた姿を想像して「ごめん」が言えた人は、情け深い人です。

 

登下校の道すがら、稲や野菜が育っていくのを嬉しく感じた人は、慈しむ心のある人です。

 

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「あるもので作る」「できたものを食べる」ことができた人は、たくましい人です。

 

「弁当の日」で仲間がふえた人、友だちを見直した人は、人と共に生きていける人です。

 

調理をしながら、トレイやパックのゴミの多さに驚いた人は、社会を良くしていける人です。

 

中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界を良くしていける人です。

 

自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。

 

家族が手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。

 

「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。

 

家族が揃って食事をすることが楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。

 

滝宮小学校の先生たちは、こんな人たちに成長してほしくって2年間取り組んできました。

 

おめでとう。これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。

 

 

「お弁当の日」創始者 竹下和男(元) 校長先生の文章

 「"弁当の日"で何が育つ」より

 


 


投稿者: 清明小編集