2014年7月10日(木) 地域の方に教えていただき、エノミ鉄砲を作りました。

エノミ鉄砲(地域によってはイノミ鉄砲とも呼ばれます)

 理科「空気の働き」の発展とものづくり教材として学習しました。

 ちょうど手ごろな矢竹と榎(えのき)の実で遊ぶ、昔のおもちゃです。内径の寸法が合い、上手に素早く押すと、筒先から水煙を上げながらパーンとよい音を立てて飛びます。たぶん急激な減圧にともなって霧が発生するのだと思います。 この原理は、中学校の理科でフラスコを使って実験します。

 こんな素朴な工作ですが体験を通して、様々なことが学べます。

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         榎の実(エノミ)とエノミ鉄砲

 とてもよく飛ぶものは、エノミを込める口が 5.5㎜位のものが良いです。弾がゆるくスッと込められるものは、圧縮が掛からず、飛びません。   まさに、コンマ何ミリの勘の世界です。日本的ですね。

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  弾が出る筒先が4.5㎜位のものが圧縮がよく、よく飛びます。 

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  つまり、先に行くにしたがって竹の内径が細くなり、圧縮がより高まるわけです。(エノミの大きさ、湿度、押すスピード等の条件で変わってきます。)

 

  下のエノミが、込める前のものです。筒先のものが、中をつぶされながら通って、発射されたものです。

 周りの実緑の皮つぶされ水分が程よくあり、圧縮を保ちながら先まで到達します。   紙玉鉄砲の紙を濡らすのと同じ効果を持っていると思います。また、エノミの内側の杯の白い部分は固い殻でおおわれており、非常に強度が高い部分です。

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ユウスゲの里の皆さんに教えていただきました。

 

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   できた!

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 穴の径や、エノミの大きさや状態等で、なかなか「パーン」と良い音が出るものを作るのは 難しいものです。

 コツは

1 「少しずつ削ること。」     カッターよりも切り出し等の小刀が刃が滑らず良いと思います。

2 「弾を込めたとき、少し無理に入れてエノミの外側の皮がむけるくらいの口径(5.5ミリ)の竹を選ぶ。」

 です。 先が細くなるよう竹の根元のほうに弾を込めてください。

 

 

 今回、残念ながらよく飛ばなかった子どももいました。そのあとの時間に、よく飛ぶ見本のエノミ鉄砲で、全員が「パーン」という快音を楽しみました。

 

 こんな原価0円の素朴なおもちゃですが、幼少のころ、近所のお兄さんたちが良い音を立てて、打ち合っているのを憧れを持って見ていました。自分自身見よう見まねでなかなかよく飛ぶものを作れなかったその悔しさがが、現在、自分がモノづくりが好きである大きな動機だと思います。

 授業の終わりに、4年生の男子の一人が、「先生、エノミ鉄砲づくりとっても楽しかったです。」と言ってくれました。 

 

 日本のものづくり、期待が持てそうです。

 

 エノミ、矢竹等を持参し、支援をいただいたボランティアの皆様、ありがとうございました。