2009年2月23日(月) 10月17日稲扱き・脱穀を今と昔双方のやり方で体験!

081017.jpg  参観週間中の17日(金)の3~4校時を使って、米作りのメインイベント農作業の一つ「稲扱き・脱穀」が行われました。▼ 「稲扱き(いねこき)」は稲をはぜかけで天日干しでよく自然乾燥させてから、穂から籾を落とす作業のこと。今では「脱穀」という言葉が一般的に使われていますが、「稲を扱く」ってどういう感じかを実際に体験して感じることが大切と考え、稲作が始まった頃の原始的な方法「①素手でのもぎとりによる稲扱き」「②割り箸を使った稲扱き」を行いました。割り箸で稲穂をはさんで手前から穂先へ押し出す作業の中で、「稲を扱く」という昔の人々の営みを感じ取れたようです。▼  次に、江戸時代初期に普及した鉄の櫛のような部品に穂先を入れて引き抜くと籾が落とせる「③千歯扱き」による「稲扱き」を体験。これにより、より「稲を扱く」という意味合いを理解し、さらに「割り箸による稲扱き」よりも格段に農作業の効率アップを実感してもらいたいと思いました。「千歯扱き」は6松のお家からお借りしました。▼  さらに、体育館前に置かれている「④足踏み脱穀機」による脱穀を体験しました。明治43年に足踏み板で胴体を回転させて稲を扱く足踏み脱穀機が発明されると、「③千歯扱き」に変わって急速に全国に普及。動力機械の脱穀機が登場する昭和の時代まで各農家はこれを使って脱穀をしていました。ここまでくると「稲を扱く」という動きでなく「脱穀する」という動きになってきます。牧内先生には、籾が飛び散らないように「特製の木枠」を作っていただき、ブルーシートを覆って作業をしました。足でタイミングよく踏まないと逆回転になってしまったり、束ねたワラをしっかりもっていないとワラごと回転している胴体に持っていかれたりするなど、子どもたちは悪戦苦闘していましたが、一様に「割り箸による稲扱きよりずっと早い」「すげ~、アッという間に脱穀できた」と驚いていました。▼ また、子どもたちは特に指示したわけでもないのに、農具庫から篩(ふるい)やざるを持ち出してきて、籾とワラくずを選別する作業をしていました。この日の「稲扱き・脱穀」の作業では、量的には本当にたいした量を脱穀したわけではないのに、準備から後片づけまでを通すと実にものすごい時間がかかりました。またブルーシートに散乱した籾を集めるだけでも大変な作業!参観していただいたおうちの方にも、すっかりお手伝いをいただき、ありがとうございました。収穫効率だけを考えると機械で全部脱穀した方が楽で、しかも収穫量もロスが最小限にくいとどめることもできるのですが、「直接自分の手で体験する」ことで、米作りに関わる昔の人々の工夫や苦労というものを身をもって実感できたようです。▼  そして、今週の20日(月)の3~4校時に、半田昌稔さんに脱穀機を心耕田に用意してもらい、その機械を使って残りの稲を脱穀しました。昔のやり方を体験した後だったので、機械による脱穀の早さ・効率のよさを改めて実感。脱穀だけの作業時間はわずか20~30分程度であっという間に終わってしまいました。その後、はぜかけの棒を片付けたり、ワラを一輪車で学校に運んだりして、一大イベントの「稲扱き・脱穀」の農作業を終えることができました。今年も約1aの心耕田から1俵(約60㎏)のお米を収穫することができました。「安全でおいしいエナジー米をたくさん収穫したい」という願いで取り組んできた「自分たちで取り組む米作りエナジー大作戦」の活動もいよいよまとめの段階へと移ってきます。