2022年11月 4日(金) 校長講話 なかよし月間にかかわって

 朝の時間に校長講話をしました。

 Meetによるオンライン講話でした。

 なかよし月間にちなんで、「自分を大切にするのと同じように、周りの人も大切にする」ことについて、「にわとりの話」をしました。

 各教室で話を聞いた子どもたち、どんな感想をもったでしょうか。

 以下は、講話の内容です。

 

  

 11月はなかよし月間です。今日は、なかよしについて考えたいと思います。

 

   

 以前に、ある校長先生から聞いた話を紹介します。

 その校長先生が子どものころ、家ではにわとりを飼っていたそうです。子どものその校長先生をAさんとしましょう。Aさんは、にわとりの世話をする役目がありました。毎日えさをあげたり小屋の掃除をしたりして、にわとりの面倒をみていました。Aさんはある日、おしりのあたりにけがをしているにわとりがいることに気が付きました。「早く治るといいな」と思いながら、世話を続けていたのですが、けがはよくなるどころか、ひどくなるばかり。見ていると、子どものにわとりが、けがをしているおとうさんにわとりのおしりのあたりをつついていることがわかりました。Aさんは驚いて、おとうさんにわとりを子どものにわとりと別の小屋に移したそうです。それから、お父さんにわとりのけがはよくなっていったそうです。

 「どうして自分のお父さんをつつくんだろう。しかもけがをしているお父さんなのに。」不思議に思ったAさんは、本で調べてみたそうです。すると、にわとりは、たとえ自分の家族でも、けがをしたにわとりをつついて攻撃する鳥だということがわかったそうです。

 

私はその話を思い出し、興味がわいて、にわとりについて調べてみました。にわとりは異質なものを嫌う性質があるそうです。たとえば、餌を食べるタイミングがちがうとか、みんなが外にいるのに、ひとりだけ中にいるとか、違うことをしているにわとりを嫌うようです。さらにケガしているにわとりがいると、そこを攻撃したくなるという習性をもっているそうです。

 にわとりは、行動や様子が違うという理由で、仲間をつつくようです。仲間をつついて、殺してしまうことも普通にあるそうです。

 

さて、この話を聞いて、皆さんはどんなことを考えましたか?「自分はにわとりとは違うから、そんなことはしない。」と思う人がほとんどでしょう。私たち人間は、けがをしている家族をつつくようなことはしません。でも、少し考えてみたいことがあります。にわとりの世界の「異質なものを嫌って攻撃する」心が、私たち人間にはないと言えるかどうかです。子どもだから・大人だから、男だから・女だから、自分の考えと違うから・・・。もしかしたら、にわとりほどではなくとも、自分とは違う行動や様子をしている人に対して、仲間に入れなかったり話さなかったり、悪口を言ったりいじわるをしたりすることがないでしょうか。あったとしたら、にわとりと同じになってしまいます。

人間は、智恵がある動物です。自分を大切にするのと同じように、周りの人を大切にすることについて、正しく考え行動していきたいですね。この「なかよし月間」では、クラスのみんなと一緒に「自分も周りの人も大切にすること」について考えましょう。