2024年3月18日(月) 西内小学校最後の卒業式が執り行われました。

 西内小学校最後の卒業式が、多くの皆さまにご参列いただき、厳粛な式の中にも、温かな雰囲気で、4名の卒業生を送り出しました。

 

完全燃焼でがんばった6年生、ご卒業おめでとうございます。中学校でも、自分の目標に向けて精いっぱい、がんばってください。皆さんの活躍を応援しています。

 

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~学校長 式辞~

新たな旅立ちにふさわしい確かな春の訪れを感じる今日の佳き日、大勢の皆様のご臨席を賜り、ここに卒業証書授与式を盛大に行うことができますことを、大変うれしく思います。

本日、西内小学校を巣立っていく四名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。(返)

西内小学校百五十年のアンカーを全校児童十八人で務め、そのリーダーが六年生四人でした。

この一年間、六年生は「やれることは、全てやる」という精神で、「完全燃焼プロジェクト」をいくつも企画し、その一つ一つを見事に達成させました。

その第一弾、五月の運動会で披露した、「閉校記念の壁画をつくろう!プロジェクト」は圧巻でしたね。全校のみんなが喜んで取り組みました。

六年生は「これは無理だろ...」と思っても、まずは、自分の思いを言葉にし、意見を出すことを大事にして、その後も挑戦を続けました。ドローンでの人文字撮影や弾丸ツアーの東京社会見学など、他校の六年生が経験できないことも実現させ、やりきりましたね。

先生や友だちと実践を通して学んだ充実感や達成感と共に、自分たちの願いを叶える歩み方を忘れないでください。

下級生は、そんな行動力ある六年生の背中を見て学び、私の心にも、四人の活躍の姿が刻まれています。

 

◆○○さん

○○さんが、四年生の頃から時々披露してくれた軽やかなハンドスプリングや、つま先までまっすぐに伸びた倒立がとても格好良く、私の心に残っています。

また、社会見学では、いつも熱心にメモをとっていましたね。メモ用紙がなくなるほど、知りたいことや学びたいことが、いつもたくさんあるんだなと感心しました。そして、東京の地下鉄でも○○さんは、「次の校長先生の切符は僕が買うので、お金は僕に渡してください。」と言ってくれて、経験を自信に変えていく○○さんを頼もしく感じたことが忘れられません。

また、十二月に六年生が企画した児童集会を終えた後、○○さんは、「僕がうれしかったことは、下級生が喜んでくれたことです。」と発表していました。努力や苦労を自分以外の誰かのためにでき、それを自分の喜びに感じることができる○○さん。下級生や友だちが、わからないことは親切に教えてあげることができる○○さんだからこそ、児童会活動から学び、自分の言葉で下級生に伝えてくれたこと、とてもうれしかったです。ありがとう。

 

◆○○さん

十月に上田市中の六年生がサントミューゼに集まった連合音楽会。ステージの袖に向かう○○さんは、「よし!」とつぶやいて、座席を立って移動しました。ステージでは、リズムをとりながら、大きな声で堂々と歌う姿に「われら西内小学校、ここにあり」と頼もしく感じたことを忘れません。

大好きな野球と金管を両立させ、休日も多くの仲間に囲まれて心も体も育みました。○○さんと体育館で一緒にキャッチボールをしたことも私の良い思い出です。金管で、大きくて重いスーザフォンを軽々と担いで、仲間を後ろでしっかり支える演奏は、○○さんにしかできないポジションだったと思います。

また、天晴さんは、いつも自分の気持ちに正直で、大らかな素直な心でつながりを築きました。だから、いざという時に、はっきりと仲間の心に届くあいさつや「よし、やろう!」という呼びかけも○○さんが要でした。アンカーの児童会長、ご苦労様でした。ありがとう。

 

◆○○さん

○○さんは、トランペットのソロを三年生から挑戦していましたね。どんなステージでも仲間の思いや期待を一身に背負い、自ら一歩前に出て、堂々と演奏する○○さんの姿は、みんなの心に残っていると思います。

また、○○さんは短距離走が得意で、小さな頃から上級生にも負けない走りでしたね。両手を大きく挙げてゴールテープを切る時の笑顔が印象に残っています。リレーでは、どんなに負けていてもアンカーの莉恋さんにバトンを託す時、チームの仲間は皆、「頼むぞ、○○さん!」と期待したことでしょう。どんな時も最後まで全力の走りを見せてくれました。

登下校では、いつも横には下級生がいましたね。手をつなぎ、時には下級生の荷物をいくつも持ってあげていました。欠席した友だちにもお手紙を書いてあげていた○○さん。自分にできることを考えて、一人でも行動できる○○さんに助けられた友だちはたくさんいたと思います。ありがとう。

 

◆○○さん

金管部長の○○さんが、ステージから「みなさん、こんにちは!」と礼儀正しく爽やかな挨拶をすると、いつも会場が元気で温かな空気に包まれました。

○○さんを先頭に、十四人で今年も東海大会に出場し、金賞受賞を成し遂げたことは、下級生にも地域の皆様にも、元気と勇気を与えることができたと思います。

そして、二月の東日本大会で、「横浜みなとみらい」の大ホールで見せた、○○さんの熱く思いのこもったドラムの姿と演奏が、私の心に残っています。また、○○さんが五年生まで担当していたトランペットをリズムに乗って奏でる姿も忘れられません。○○さんは「音楽の楽しさ」を感じ取りながら自分らしく表現し、人に感動を与える力があるのだと思います。

休み時間には、図書館で熱心に本を読んでいた○○さん、音楽や読書を通して、自ら豊かな心をたくさん育てたことでしょう。

自分の好きなことに集中して取り組むことができ、それを楽しみながら自分を成長させていくすばらしさを皆にも伝えてくれた○○さん。ありがとう。

 

六年生の皆さん、四月からはいよいよ中学生ですね。

百五十年を歩んだ歴史ある「われら西内小学校」の卒業生であることを誇りに、自ら前に進んでください。ここで学んだ「知恵とねばりと思いやり」を精一杯使って、たくましく歩んでください。

 

結びになりますが、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業おめでとうございます。六年間、本校の教育活動に格別のご理解とご協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。

 また、ご来賓の皆様にはご多用の中、ご臨席を賜り、心よりお礼申し上げます。今後とも子どもたちに温かなご指導ご支援を賜りますようお願いいたします。

 

名残は尽きませんが、西内小学校の有終の美を飾り、仲間と共に、これからの未来を切り拓いていく四名の卒業生に、心からの祝福とエールを送り、式辞といたします。

 

令和六年三月十八日

                上田市立西内小学校 校長   塩川 和泉