2009年11月18日(水) 第7回校長講話

~なかよし月間によせて~
           「 ひとりひとり違うからいいんです」

 

 

 おはようございます。先ずはじめに、お友達の感想を読みます。

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  この感想文は、先日この体育館で行われた「佐久ろうあ太鼓」の皆さんが太鼓の演奏を聞いて書いてくれた「6年3組の○○さん」の感想です。太鼓を演奏してくださった皆さんの姿から、○○さんは「自分だって同じように耳が聞こえなくなるかもしれない・目が見えなくなるかもしれないと、自分のことに置き換えて考えてくれています。しかし、そうなっても大事なことは、最後まであきらめずに一生懸命努力することだ」って非常に大事な内容でまとめてくれています。素晴らしい考えだなーと思います。

 

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 校長先生はちょうどその日、お仕事でいなかったので、その演奏会を聞くことは出来ませんでしたが、この感想文を読んだだけで、どのような素晴らしい太鼓の演奏がされたのかよ~く分かりますし、全校の皆さんが、太鼓の素晴らしさはもちろんですが耳の聞こえない人たちが、よくも全員そろって太鼓を打つことが出来ているというその凄さに驚きと感動を持ってくれたことに校長先生は、とってもうれしく思いました。あ~、いい太鼓の演奏会を聞くことが出来たことと、耳が聞こえない・言葉が思うように話せないというように、体に不自由さ(難しい言葉で言うと「障害」)を持っている人への心の寄せ方・優しさをしっかり勉強することができたんだなーと思いました。

 

 

 さて、今日はそういったお友達や身近にいる人たちへどのように心を寄せて接したらいいか考えるお話をします。

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 まずはじめに、1つの詩を「清水先生」に読んでもらいます。

 

~朗読「わたしのいもうと」~  

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   ありがとうございました。さてこの詩は、「松谷みよ子さん」という本や詩を書く人が書いた詩と絵本です。皆さんはこの詩を聞いてどのような感想を持ちますか?


 さらにこの詩は、最後にこのようなことも述べています。
「私をいじめた人たちは、私を忘れてしまったでしょうね。(本当は私は、みんなと)遊びたかったのに、勉強もしたかったのに・・・」という言葉を書いて終わっています。いじめられた人は、本当はこんなにも思うことがあるんだけど、いじめた人はそんなことをちっとも覚えていなくて、みんな忘れてしまっている。って言っているんですね。どうでしょうか、皆さんにも同じようなことありませんか?人に意地悪をしたことは忘れちゃったが、意地悪されたことはしっかり覚えている。そんな経験のある人、手を挙げてみてください。

 

 

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はい、ありがとう。


 さらにこの絵本の「あとがき」に、松谷さんはこんなことも書いてます。「自分より弱い者をいじめる、自分と同じでない者は許さない。そうした差別こそが戦争をにつながるのではないでしょうか。恐ろしいことは、多くの人が自分で知らないうちに、人を傷つけていることです」と述べています。先ほど手を挙げてもらったことと同じことなんですね。知らないうちに人を傷つけていることが、非常に恐ろしいことなんだって言うことです。

 

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  もう一人の先生、斉藤先生にも登場してもらいましょう。

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              ~歌 「ぞうさん」~

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ありがとうございました。


 はい、この歌はもう皆さん知っていますよね。「ぞうさん」という歌です。実はこの「ぞうさん」という歌は、象の子どもが周りの動物たちから「お前の鼻、長いな~」って悪口を言われた時の歌なんだそうです。確かに象の鼻は長くて、他の動物は長くはありませんね。しかし、象の子どもは、そう言われても怒ったり、しょんぼりしたりしなかったそうです。それは、世の中で一番大好きなお母さんも鼻が長いんだよって、誇り(自慢)をもって答えたのですね。


 鼻が長くても短くても、背が高くても低くても、また運動が得意であっても苦手であってもかまわないのです。みんな同じでなく、違っているからこそ素晴らしいんですね。誰でもがそれぞれ違うところを持っていますが、それがよさなんです。みんなが同じ顔をしていたら困ってしまいますね。考えることも同じだったら、やはり困ってしまします。一人一人が違うからこそ、一人一人が違った輝きを持っているんですね。

 

 

 

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 最初にお話しした絵本の「わたしのいもうと」のように、自分やお友達の違うことを笑いものしたり、「ぞうさん」のようにいじめたり差別したりすることは、人として絶対に許されることではないんですね。みんな違うからいいんだっていうことです。また人がいじめられているのに、それを見て見ぬふりをする、これも全くいじめている・差別をしていると同じですよね、許されることではありません。

 今日は「なかよし月間」ということで、自分やお友達が悲しい思いをしないで勉強や遊びをするには、どうしたらいいか考えてもらいたいと思います。教室で話をもとにして、みんなで話し合ってみましょう。6年の○○さんのように自分のしっかりした考えを持ちましょう。