2007年4月 1日(日) (5) 窯焚き

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日曜日に窯入れが終わると、いよいよ窯に火を入れる「火入れ式」を火曜日に行います。11月の全校制作の火入れ式は全校で行い、2月の卒業制作の火入れ式は6年生だけで行います。火入れ式が終わると、学校職員が100度を上限にゆっくりと窯を暖めます。いきなり薪をたくさん入れても登り窯はすぐに温度は上がってくれませんし、急激に温度を上げてしまうと作品が割れてしまうので、ゆっくり温度を上げていきます。

そしていよいよ金曜日、本格的に薪をどんどん投入し、温度を上げていきます。最終目標温度は1300℃、金曜日から日曜日までおよそ60時間をぶっ通しで薪を投入し続けます。窯の下部にあるメインの焚き口からは太い薪、両サイドに2カ所ずつある焚き口からは割り箸ぐらいに補足した薪を投入します。土曜日の夜になると窯の周りは半袖でも十分なほどで、薪を投入する時は耐火用の皮の手袋とエプロンを装着しますがそれでも熱さでプラスチックレンズの眼鏡は変形したりポリエステルのジャージが溶けたりするほどです。保護者や職員は1回3時間の当番を24時間体制で行います。

温度を上げ始めてから約24時間、土曜日になると窯の中の温度も1000℃を超え、煙突から「鬼火」と呼ばれる炎が出てきます。さらに燃焼を続け土曜日から日曜日に変わる頃には、煙突の上の天板についたススが鬼火によって再度燃焼し始めます。これを保護者らは「エンジェルリング」と呼び、これを見るのを重労働の合間のつかの間の楽しみとしています。

そして、1200℃~1300℃が続くようになる日曜日、すべての焚き口と煙突と通風口に粘土を塗って窯を封じ、1週間後の窯出しまで窯を冷やします。   

 

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焚き口からの薪の投入。耐火用のエプロンと手袋を装着しているが肌がやけどするほどの熱さとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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煙突から吹き出る鬼火。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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窯上部に設けられた通風口から吹き出る鬼火。デジタル数字の1226は窯内部が1226℃であることを示す。

 

 

 

 

 

 

 

 

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煙突上の天板のススが発火してできたエンジェルリング