2017年7月26日(水) 1学期終業式

7月26日(水) 1学期の終業式がありました。1学期は75日間でした。どんな思い出ができたでしょうか。何かできるようになったでしょうか。一人ひとりふりかえってみましょう。保護者のみなさま、地域のみなさまには、子どもたちを見守り、育んでいただきありがとうございました。明日よりしばらくの間、ご家庭、地域で過ごす時間が多くなりますが、よろしくお願いいたします。

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終業式では、3年生が1学期にがんばったことを紹介してくれました。

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本校に里帰りした縁の瓦(薬師寺の東塔を守った瓦)

  

1学期終業式の校長講話より

 

3年生の発表、すばらしかったですね。1学期に勉強したこと、がんばったことがよくわかりました。特に、お蚕さんを育てた活動は、お蚕さんが作る絹糸を使った蚕糸産業が盛んだった丸子のことを知るとてもいい活動だったと思います。

他の学年も負けずにがんばっていましたね。

1年生:初めての小学校生活で、席についてちゃんと勉強できています。

2年生:教室での勉強もがんばっていますが、内村川へ行き生活科で冒険しています。

3年生:町たんけんで、丸子の地域をあちこち出かけて、調べていました。

4年生:高学年の仲間に入って、初めての児童会活動で当番活動などがんばっていました。

5年生:高原学習で、えぼし岳の登山、飯ごう炊さん、キャンプファイヤーなど、協力してがんばっていました。

6年生:特に児童会活動のリーダーとして、みんなのお手本になる行動ができていました。また、暑い日でも、毎日マラソンを続けてがんばっていた姿は、本当にすばらしかったです。

どの学年も、がんばった75日間の1学期でした。

 

今日は、2つのお話をします。

ひとつめ。

ここはどこでしょう。そう、お寺です。奈良県にある薬師寺というお寺です。国宝であり、世界遺産の薬師寺の東側にある塔を東塔と言います。この薬師寺の東塔の瓦についてのニュースを見てもらいます。

~ニュース映像を見る~

ということで、薬師寺の東塔の屋根で世界遺産を守ってきた瓦がここにあります。

よく見えないので写真に撮りました。何と書いてあるかな。そうです。東内小学校です。丸子中央小学校は、丸子小学校と東内小学校が一緒になって、47年前にできました。この瓦はそれよりも前の60年前に東内小学校の子どもたちとお家の方が、薬師寺の修理のためにお金を出した記念として、瓦に掘られたということです。

丸子と薬師寺は直線距離で300kmほど離れています。でも、国の宝であるお寺が修理するお金がなくて困っていると知り、戦争が終わったばかりで生活が苦しくても、寄付をしてくれたのです。その結果、世界遺産にもなった世界の宝を守ったのです。このように素晴らしい先輩がいたことを覚えていてください。もしかしたら、みなさんのおじいさん、おばあさんでこのことを知っている方もいるかも知れませんね。

 

さて、明日から夏休みです。

3つのお願いがあります。ひとつめ、「止まる、手をあげる、見る」を守って、交通事故にあわないようにしてください。歩く時も自転車も同じです。とびだしは絶対にしない。長野県では、伊那市と千曲市で1学期に、道路に急に飛び出して命を落とした1年生が二人もいます。たとえ横断歩道でも、道路には急にとびだすことはしないと約束してください。また、自転車に乗る時は必ずヘルメットを被ることを約束してください。

二つ目は、安全にあそぶことです。子どもだけで川遊び、火遊びはしません。花火も必ず大人と一緒にやりましょう。

三つ目は、ルール、やくそく、きまりをまもることです。夏休みの生活のきまりのプリントがあることは知っていますね。もう一度、どんなやくそくがあるかを確かめましょう。特に、万引き、お見せから勝手に品物を盗むことですね。友だち同士でお金をあげたり、ものを買ってあげたりしてはいけません。

 

3つのやくそくに関係して、岐阜県の民話を紹介しますので、様子を思い浮かべながら聞いてください。知っている人がいるかも知れませんが、静かに聞いてください。

 

◎お月様がみている

<場面1>

 あるところに、どろぼうがおりました。昼間は仕事をしないで家でゴロゴロとしていて、夜になると村や町へでかけていきます。そして、畑からお百姓さんが一生懸命育てた作物を盗んできたり、人の台所に忍び込んで食べ物をとってきたりしていました。

 この泥棒には、一人の小さな男の子がいました。

 

<場面2>

 ある夏の、月が明るい夜のことです。泥棒は「今夜は、子どもを連れて行って、見張りをさせながら、泥棒のやり方を教えるとしよう」と考えました。そこで、いつか見ておいた川向こうのスイカ畑へ盗みにいくことにして、「今夜は、いいところへ連れて行ってやるからついてこい」と言うと、自分は大きなかごを背負って、先に立って出かけました。

 

<場面3>

 すいか畑についてみると、月明かりで大きなスイカがいくつもいくつも見えました。泥棒は、男の子に「父さんは、あそこへ行ってスイカをとってくるから、お前はこの土手にいて、よく見張りをしているのだぞ。もし、誰かがきたらくしゃみをして合図しろ。」と言いつけておいて、かごを背負ったまま、静かに畑の中へ入っていきました。

 

<場面4>

 しばらく、畑の中をあちこち歩きながら、スイカをとっては、かごの中へ入れていた泥棒は、土手の方をふりむくと、しわがれた声で言いました。「おい、誰か見ているやつはいないか。あたりをしっかり見てみろ」こどもは言われたとおりに、伸び上がってあたりを見回した後、あどけない声で答えました。「とうちゃん、だれもいないよ。だけど、お月様がみているよ」

 泥棒はこれを聞くと、はっとして、思わずかごの影に顔を隠しました。まるで、頭から冷たい水をあびせられたような気持ちです。泥棒はしばらくじっとしたまま動けませんでした。その丸くつぼめた肩が小さく震えていたようでした。

 やがて、泥棒は立ち上がると、さっきとったスイカを一つ一つていねいに、畑に返し始めました。そうして、恥ずかしそうにうつむいたまま畑から出ると、黙って男の子の手を引いて、急いで家へ帰りました。とても、お月様のお顔をみることはできませんでした。

 

<場面5>

 翌日から、この泥棒は、ぷっつりと盗みをやめて、毎日せっせと働くようになりました。 おしまい。

 

「お月様がみているよ」と子どもが言いましたね。

スイカをぬすんでいる泥棒を見ていたお月様どんな顔をしていたと思いますか。

これはどうかな(笑った顔)これはないね

では、これだと思う人(怒った顔)、これだと思う人(泣いている顔)

 

してはいけないことをすると、だれかを怒らせてしまいます。たとえば泥棒なら、とられてた人、万引きならお見せの人、そして、お父さん、お母さんもおこるでしょう。

 

また、してはいけないことをすると、誰かを悲しませてしまいます。もし、君たちがしたら、お父さん、お母さん、おばあさん、おじいさん、先生達も悲しいです。

 

このことをぜったいにわすれないでください。

 

みなさんは、やってよいことと、やってはいけないことの、ちがいがわかりますね。やってはいけないことをしないという、判断とがまんする力はありますね。

 

そして、だれもみていないと思っていても、 夜ならお月様、昼なら、おてんとうさま、つまり太陽、月や太陽がなくても、みんなのまわりにある、木、かぜ、などすべてのものがみています。そして、自分自身がちゃんとみています。

 

明日からの夏休み、交通安全にきをつけて、してはいけないことはしない、正しいことやよいことをする生活をしてください。そうすれば、きっと楽しい夏休みになります。

 

それでは、8月22日にみんなと元気に会えることを楽しみにしています。