2012年11月28日(水) 校長講話『星野富弘さんの心と絵について』

H24_Kotyokowa_01.jpg

H24_Kotyokowa_00.jpg

 

 11月28日(水)、読書旬間にちなんだ校長講話が行われ、校長先生から、以下のようなお話がありました。

 

今回もまだ体育館が使えませんので、テレビ放送で行われました。

 

    この絵を見てください。

(テレビ画面には星野富弘さんのすばらしいツバキの絵が映し出されました。) 

  ツバキの花の感じがとってもきれいに描かれていますね。校長先生が描いた絵ではありませんよ。この絵は、体が思うように動かない人が描いた絵なんです。さて、この人はどのように、というか体のどこを使って描いたでしょうか?ちょっと近所の人と1分間相談してみてください。

・・・・はい、やめてください。話し合いができましたか?  聞いてみるよ。手を挙げてみてください。

  H24_Kotyokowa_03.jpg  

 

①手に筆を持って描いたと思う人?
②ひじに筆を挟んで描いたと思う人?
③足の親指に筆を挟んで描いたと思う人? 
④口に筆をくわえて描いたと思う人?

 

 

 

 はい、クラスの中で何人かに分かれましたか?実は、この絵を描いた人は星野富弘さんって言って「口に絵筆」をくわえて描いた人なんです。「え~っ」って思うでしょうが、実は星野さんは手足や体がまったく動かなくなってしまって、唯一動くのは口だけだったとうこうとなんです。

 

 そこで、今日はこの星野富弘さんのこと、本のことについてお話しようと思います。

 

 星野富弘さんは、1946年群馬県に生まれ、今でも生きていられる方です。66歳になるのかな。この星野さんは、小さいころから健康で体力も優れていました。中学では陸上部、高校では器械体操部に入って頑張っていました。山も好きで、この写真は谷川岳という山の頂上で、逆立ちをしている写真です。大学でも体操部に入って、このように頑張って、大学を卒業してからは群馬県の地元の中学校の体育の先生なりました。 しかし、ここからです。先生になってまもなく、クラブ活動を指導している最中に、頸椎(首の骨)を痛めて手足が動かなくなりました。そして、病院で治療をしましたが、もう一生寝たきりで、自分の力で立ったり動いたりはできない体になってしまったんです。その後退院して、結婚もしたんですが、やはり体が動かないことにとっても苦しんでいました。しかし、この星野さんは、凄い人ですよね。寝ていてクヨクヨしていてもダメだ、むしろ動かないからだから何かを教えてもらおう、という気持ちになって、唯一動く口を使って字を書こうということになったんです。これが、最初に書いた字です。正直、何て書いてあるのか分からない感じでしたが、詩が好きだった星野さんは、好きな詩を何回となく読んで詩を書いて上手に字が書けるようになってきました。
 そして、字が思うように書けると絵も描きたいと言うことで、字と絵を描くようになったということです。この写真は、自宅で奥さんに絵の具を準備してもらって、絵を描いている様子です。すごいですね。絵の方も、たくさん描くようになったので、徐々に上手になっていきました。見てください、すごいですよね。すべて口で描いたんですよ。今では、日本中、いや世界中でも有名な人になったんですよ。群馬県の地元の町では、星野さんの美術館まで作ってくれたんです。校長先生は、この夏にこの星野富弘美術館へ行って本物の作品に触れてきました。やはりすごかったです。

H24_Kotyokowa_04.jpg 中央小学校では、先週まで「なかよし月間」でたくさんの勉強をしましたね。皆さんは、この星野さんの頑張りの姿をどのように思うでしょうか?先日も「虎井まさ衛さん」のお話をお聴きしました。この世の中には、いろいろな人がいます。星野さんのように体が動かない人もいれば、言葉が言えない人、耳が聞こえない人や目が見えない人、そして虎井さんのように女性から男性になった人、逆に男性から女性になった人というように、人様々です。大事なことは、自分の考えをしっかりもって、人とは違う自分をう~んと大事に自分らしく生きていくことなのかな~と思います。星野さんも、自分の体を知って、口を使って字が書ける、絵が描けることを大事にして、自分らしく力強く生きているんですね。そのような星野富弘さんの生き方について、また時間があったらクラスで話し合ってみましょう。

 

H24_Kotyokowa_05.jpg 最後に月曜日から「読書旬間」が始まりました。この旬間を通してたくさんの本を読んでほしいと願っています。今日お話した星野富弘さんの本は、図書館の「詩を読もう」という棚にあります。あまりたくさんの本はありませんが、星野さんの絵や詩、何とも言いようのない素晴らしい作品がのっている本です。ぜひ、読んでみてください。

 今日は、なかよし月間にも関係して読書旬間ですので、星野富弘さんの生き方や星野さんの描いた本について紹介しました。

 

H24_Kotyokowa_06.jpg