2026年3月17日(火) 卒業証書授与式(式辞)
式辞 大好きな君たちに贈る言葉
やわらかな陽射しに、春の訪れを感じる今日の佳き日、丸子地域教育事務所長様、上田市議会議員の皆様をはじめとするご来賓の皆様、卒業生保護者の皆様のご臨席を賜り、令和八年度上田市立丸子中央小学校卒業証書授与式をこのように晴れやかで、盛大に挙行できますこと、心より御礼申し上げます。
保護者の皆様、本日はお子さまのご卒業、誠におめでとうございます。また、これまで本校にお寄せいただきましたご厚情にも厚く御礼申し上げます。卒業生一人一人が、自分の夢や目標に向かって大成されますこと、教職員一同、願っております。
あしひきの 山櫻花 日並べて かく咲きたらば いと恋めやも
もしも山に咲く桜が 何日も何日も咲いていたとしたら
こんなに愛しいとは思わないでしょう
すぐに散ってしまうからこそ こんなに恋しいのだ
小学校生活六年間という一生に一度の限られた時間だからこそ、日々は輝き、終わりが恋しいのだと思います。 ピカピカのランドセルを背負って入学したあの日から、六度目の桜の季節となりました。入学したあの日を思い出すような春の光を浴びて、みなさんは今日、卒業の日を迎えました。
旅立ちの日を迎えられた九十三名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
みなさんが小学校に入学した令和二年の春は私たち先生にとっても、一生忘れられないものとなりました。「新型コロナウイルス」という目に見えない敵からみなさんの命を守るため、入学したばかり・これから楽しい毎日が続くはずだったのに、学校は休みとなり、学校に来ることも、先生や友達と会うこともできず、当たり前に訪れるはずの明日は、突然、奪われました。ようやく登校することができるようになっても、思い描いていた小学校生活とは全く違う生活だったことでしょう。小学校生活は、とっても密なのに、密であることが楽しいはずなのに、密を避けなければならない生活でした。私たち先生から、いつも「これをしてはいけない」「あれをしてはダメ」と繰り返し言われました。
きっと、友だちと遊んでも、思いっきりできないから、楽しくない
黙って前を向いて食べる給食も、おいしくない
運動会や音楽会、行事も、制限があってつまらない
そんな毎日だったことでしょう。
しかし、見えない敵と闘った日々は、見えないものに支えられた日々でもありました。
支えてくれた見えないもの...それは、友だちであり、先生であり、家族の優しさや愛情であったと思います。
令和六年四月、みなさんが五年生になったとき、西内小学校が統合し、新生丸子中央小学校が誕生しました。統合はおめでたいことであり、丸子中央小学校がさらに元気に、活気ある学校になったと聞きました。しかし、統合するということは同時に、慣れ親しみ、愛着を感じ、思い出がいっぱいにつまった校舎に別れを告げなければならない友だちがいることを意味します。新しい友だちが増える喜びを感じつつも、さみしさや不安、残念な気持ちが大きかったということを先日、西内小学校出身の六年生が教えてくれました。
しかし、新しい生活の中で感じた多くの友だちの優しさ、思いやり、楽しさのおかげで、そんな思いを小さくしてくれたとも話してくれました。「統合」という大きな経験を通して、みなさんは、優しく、強く、そして、たくましく成長しました。
さて、今、手元にある卒業証書には、あなたの名前と誕生日が書かれています。十二年前のこの日に、あなたが生まれ、その日から、あなたの名前も、この世に生まれました。「命名」いのちの名前です。
「明るく元気な子に育ってほしい」
「思いやりのある優しい子になってほしい」
「まっすぐで正直な人に育ってほしい」
「みんなを愛し、みんなから愛される子に育ってほしい」
「自分の夢をあきらめず、かなえてほしい」
「広い心をもち、キラキラした人生を送ってほしい」
「コツコツと努力ができる子になってほしい」
「野原に咲く花のように素朴だけれど、強くたくましく生きてほしい」
「どんなつらいことがあっても、笑って周りを明るくしてほしい」
お家の方は、あなたが無事に生まれてきてくれたことに感謝し、生まれたばかりのあなたの顔を見ながら、「こんな子に育ってほしい」「こんな大人になってほしい」と未来を願いながら、いのちの名前をつけてくださったのです。あなたは命を授かり、いのちの名前とともに十二年間生きてきました。生まれたその日から、あなたは数えきれない多くの人に見守られ、支えられ、愛されながら今日まで育ってきました。今日はたくさんの人たちから「おめでとう」と言う言葉を言われる日である・・・と同時に、あなたを愛し、見守ってくれた家族や自分を支えてくれた方々に感謝の言葉を伝える日でもあります。お家に帰ったら、すぐにこの言葉、「ありがとうございました」を家族に伝えましょう。これが校長先生からの最後の宿題です。
さぁ、卒業生のみなさん、お別れの時が近づいてきました。
ありがとう、生まれてきてくれて
ありがとう、元気でいてくれて
ありがとう、笑顔を見せてくれて
ありがとう、優しくいてくれて
ありがとう、完全燃焼してくれて
卒業生九十三名のこれからの人生が素晴らしいものになることを祈念し、式辞といたします。がんばれ!
令和八年三月十七日
長野県上田市立丸子中央小学校長
