2019年3月12日(火) 文集「えぼしの子」 第63号の発行について

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本原小学校では、文集「えぼしの子」を毎年作成しています。今年の発行で63回目。

なんと、60年も前からこの文集が創られ続けてきたことに、ただただ驚かされます。

そして、今までの文集「えぼしの子」がすべて、校長室の棚の中に並んでいます。

現在の子どもたちのお父さんや、お母さんの書いた詩や文章まであるなんて思うと、

ちょっとクスッと笑いたくなる気持ちと、歴史の重みを改めて感じます。

「えぼしの子」では、冒頭、校長の書いた文章があり、その後、全校児童の詩や作文が掲載されています。

今回の「えぼしの子」に掲載した、校長の文章を以下に紹介します。

 

  「廊下を走る子ども」  
                             ~えぼし 第六十三号の発刊によせて~
                
                     校長     浅原 昭久

学校の廊下は、走ってはいけない。

でも、子どもたちは、廊下を走る。

不謹慎な校長だと言われてしまうかもしれないが、
わたしは、思う。
子どもが廊下を走る姿が、好きだ。

いのちに満ち満ち、いのちが弾けるように走る子どもたち。
目指す所を見定め、前に前に進む子どもたち。

玄関で、子どもたちとハイタッチして挨拶を交わし、思う。
「校長先生!」と、いきなり校長室に飛び込んでくる
子どもたちを見て、思う。
授業で、担任や黒板を見つめる、
子どもの真摯な眼差しを見て、思う。

ああ 子どもたちは なんて 素敵 なんだろう!

まだまだ不十分 足りないところ多々あれど
子どもは 完結している。

わたしたち教師が、
うかつに補ったり指導したりする存在ではなく、
もうすでに完璧な一個人として 絶対的に存在している。

わたしは、どれ程、
日々、子どもたちに救われていることだろう。
わたしは、どれ程、
日々、子どもたちに勇気付けられていることだろう。

日々、こんな素敵な子どもたちに囲まれ、
生活できる喜びを  感動を
どんな言葉で どのように表すことができるのだろう。

今ここに在る子どもたちの内には、宇宙。

未だ小さく未熟で、未完の子どもの中に広がるのは、
無限の可能性、そして、完璧な美しき宇宙。


わたしは、子どもが廊下を走る姿が、好きだ。