2023年10月23日(月) 「先生」について

過日ある学年では稲刈りが行われ、先週末は全校がそろって合唱と合奏を発表し聞き合う音楽会が催された。そして本日は、低学年で芋ほりが行われる。

 

苦労して刈り取ったもち米も、引っこ抜いたサツマイモも、それでおしまい...ではない。子どもたちの願いをいかしつつ、教育的な観点で、話し合いの場を設けたり、背中を押したりして、その後の学習活動を計画し実行していく。
こういった一連の活動をすべて、一人の先生が行うのである。

 

こんな仕事が他にあるだろうか!?

 

稲の育て方を知っていて、サツマイモを育てることもできる。そしてその調理方法や、イベント化する術も知っているのである。知らなければ、教材研究という名の研修を自ら進めるのである。

 

その次の時間になれば、楽譜を見ながら、歌や楽器の指導をしたり、子どもたちのやる気を鼓舞したりもするのである。それを毎時間、毎時間、数十人の子どもたちを相手に行うのである。

 

これが日々の授業。

 

ある時は、筆の持ち方から指導をして習字を教え、鉄棒や水彩画に雑巾の絞り方まで。また、ソフトボールやサッカーの審判までもこなす。歌って踊れて、泳げてのエンターティナーである。こんな、教科の域を時には超えていると思われるほどの専門性を求められてしまう。かなり厳しいと思う。

 

更には、学校行事という名の様々なイベント企画、仕切り、準備に運営、そして司会もこなし、時には、ツアコンの様に数十人を引率し、安全な遠足や宿泊学習を企画運営もする。
また、救急救命や初期消火の仕方、アレルギーやハチ刺され、切り傷の対応の知識があり、給食指導に偏食や食の量への対応、時には嘔吐の処理まで。

 

そしてまた、もしもの不審者に備え、さすまたを使った撃退法の修得や集団避難のスキルを持ち、地域にクマや不審者が出たとなれば、ほぼ丸腰で登下校も子どものために歩き回る。
例え国語や社会が専門の先生であっても、ICTの知識や英語指導の方法を短期間で身に着け、HSCや心的ストレスの理解を深め、カウンセリングマインドを持ちつつ、子どもやご家庭の願いや不安、要望に対して親身に耳を傾けようとする。

 

いやはや、こうして考えてみると、子どもと向き合う先生方は、本当にすごい。

 

当然最初からできるわけではなく、全てが完璧などは到底できない。人間なのだから、得手不得手があり、限界があり、満足いかないものもあるはずである。でも、だからこそ、日々努力を積み重ねている先生。先生方のそんな日常に頭が下がる。

 

月曜日。そんな先生と子どもたちとの時間が、また始まった。

 

子どもたちよ、先生方はあなたのために、精一杯力を尽くしてくれているのです。安心して、先生に相談をし、友だちと協力をして、みんなで一緒に、楽しい学校にしていきましょう。