2025年10月15日(水) 語りの会
秋の読書旬間の一環として、毎年塩田平民話研究所から語りベのみなさんをお呼びしています。小泉や半過、山口など上田市にかかわる民話をお聞きしていますが、長いお話を、しかも毎年異なるものを暗記して臨まれていることがすばらしいと思います。いつもながら感情豊かに伝えてくださるその語り口にすぅっと引き込まれていきました。
戦争に行って多くの若者が亡くなってしまい、その弔いのために海を渡ったというカラスのお話(「海を渡ったカラス」)をしてくださっているときでした。語りベの先生がお話を一時止めて、30秒ほど沈黙された時間がありました。そのとき先生は、「ごめんね、このお話は戦争のお話で、私も今93歳で昔戦争に行ったことがあるから、そしてみんながあまりに一生懸命聞いてくれるから、なんだか胸がいっぱいになってしまった。こんなことはこれまでになかったことだよ。」と涙を浮かべて話されました。会場の空気がぴんとして、それまで以上に生徒もぴんとして耳を傾けていたように感じられました。上田の民話を知る、という目的以外にも、語りベの皆様の生き様を見たような気がしました。ありがとうございました。