2019年8月23日(金) 平和な時代を続けていく主役になる皆さんに(2学期始業式 水出校長の話)

今日は、私がこの夏休み中に経験したことをお話しようと思います。

 8月18日(日)、私は「猫山」にある「慰霊碑」の前で行われた慰霊祭に行ってきました。

これは、誰の慰霊祭かと言うと、この写真の3人の人たちです。

男の人はお父さんで、名前は「遊佐卯之助(ゆさ うのすけ)」と言い、この時は30歳です。

写真からも分かると思いますが、この頃は戦争中でした。

次に、女の人はお母さんで、秀子(ひでこ)さんと言い22歳でした。

そして、真ん中にいるのが久子(ひさこ)さん。生まれて1ヶ月くらいの赤ちゃんです。

この遊佐さんは、今の千曲高校の所にあった陸軍飛行学校上田飛行場で、飛行機の操縦の仕方を教えていました。

とても優しい先生だった遊佐さんは、教え子たちが「特攻隊」として、敵に突っ込んで死んでいくことを大変悲しみ、

「自分も必ず、教え子の後を追って敵に突っ込んで死んでいく」と心に決めていました。

 ところが、遊佐さんに命令が出る前に、戦争が終わりました。

遊佐さんは死なずに済んだのです。

しかし、とても優しくまじめで教え子思いの遊佐さんは、

自分だけが生き残ったことに我慢ができませんでした。

そして、妻の秀子さんと赤ちゃんの久子さんと3人で、自ら命を絶ちました。

74年前の8月18日の夜明け前のことです。

このような悲しいお話が東塩田小学校の学区内にあります。

 私が強く感じたことは、戦争は、特に弱い立場の人たちを苦しめたり命を奪ったりするもので、

絶対にしてはいけないものだということです。

これから平和な時代を続けていく主役になるのは、皆さんです。

皆さんが大人になっても平和な時代が続くように、

今は、しっかり勉強をして正しい考えがもてる人になってほしいと思います。