2025年2月28日(金) つぶやき207「逃げる2月/逃がさない2月」も最終日

校長の大きなつぶやき207「逃げる2月/逃がさない2月」も最終日

 「逃げる2月」いや「逃がさない2月」も最終日を迎えました。やはり28日しかない

 2月は後から振り返ると、あっという間感がどうしてもぬぐえません。

 本当に春を思わせる暖かな日が続くとともに、乾燥注意報も出続けるなど、乾燥した

 日々が続いています。今週は全国各地から「山火事」のニュースが届いています。

 上田市でも武石地区の山火事が心配です。消防防災ヘリ1機と陸上自衛隊ヘリ6機が

 出動し、山を越えた上田市鹿教湯温泉の内村ダムから水を汲んで、それを山を越えた

 上田市武石上本入の山火事現場まで運び、上空から消火活動をしたり、地上からは

 消防車両50台、210人態勢で消火活動が行われました。

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 火事というといつも頭に浮かぶのが「嘘を教えるな、怪我をさせるな、火事をだすな」

 という大先輩長坂利郎先生(明治20年~昭和18年 小県郡東内村・現上田市生まれ)の

 言葉です。 上記のフレーズが大変有名なのですが、最近信濃教育会より出された著書

 「秘伝『信州教育の極意』~信州教育として大切にされてきた言葉~」を読むと、実は

 このような命令形の言葉では言っていないという話が載っていました。この本によると

 「まあ子供に、うそを教えねえ様に 明日の教材研究をよくしらべ、 けがをさせねえ様

 に なるべく一緒に遊ぶようにし、 それから、村から学校をあずかっているのだから、

 これを焼いちゃあ申し訳ねえ。 火事を出さねえ様に 注意して」

 (これだけ出来たらあとは自由に自分の勉強をして......) と言っていたとのこと。更に

 「嘘を教えるな、怪我をさせえるな、火事を出すな」長坂のこの三つの教えは、現在で

 も県内各校で受け継がれ、多くの人が様々な場所で何度も耳にしているのではないか。

 この言葉は長坂が教師として教え子に接しているうちに自然と心に沸いてきたものら

 しい。この言葉は元々、命令形だった訳でなく、和尋常小学校の校長時代に、夜遅く

 まで働いている熱心な若い先生方をいたわるつもりで、冒頭の言葉を半ば独り言のよう

 にしんみりと言われたようである。長坂がこの言葉に込めた想いを考えたい......。

                  【この著書からの引用文に関しては掲載許諾済み】

 吉田兼好の『徒然草』の中にある「庭師の話」...高いところで剪定を行っていた弟子に、

 もう最後で降りてくる時に「気をつけろ」と声をかける棟梁......を思い出します。

   (高いところは本人も気を遣う。最後のもう大丈夫だという時に油断が生まれる)  

 まとめの3学期だからこそ、次の学年に橋渡しできる力をしっかりとつけて送りたい。

 残り1ヶ月、「大過なく...」今年度の学校運営・教育推進が滞りなくなく終われるよう

 油断することなく、心を引き締めて臨んでいきたいと思う日々です。