2024年9月18日(水) ある信号に込められた願い・秘密に迫る!

ある信号に込められた願い・秘密に迫る~子どもたちの安全を願う地域の思い~

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 北常田の洋菓子店ピエール前の交差点を北に向かうと、すぐに押しボタン式の

 信号のある交差点にあたります。今日も押しボタン式を押して、歩行者用の信号が

 青になるのをじっと待ち、青に変わるとさっと手をあげて、すばやく渡っている

 東小学校の子どもたちがいます。この信号、東小学校の子どもたちにとっては、

 とてもありがたいものですが、ピエール前の信号との間隔がとても短く、

 普通に考えたら、信号が設置できないはず...。でも何かこの信号には秘密がありそう...。

 そんな思いを巡らせ、この信号の設置にまつわる経過を探究してみようと思いました。

 この信号の交差点を東へ入っていくと、当時の正門(校庭の南西の角)があります。

 昔は、現在の校庭の位置に校舎があったこと、「染屋」「岩門」が学区ではなかったこと

 などもあり、この正門を通って学校に来ている子が圧倒的に多かったことが推測されます。

 そして、交通量もとても激しく、東小学校の子どもたちが危ない目に遭うことも

 多くあったようです。しかし、当時はこの交差点に信号はありませんでした。そこで...

 一人のあるおばあさんがこの状況を大変憂慮し、自分の私財を投げうって信号を

 設置したことがわかりました。信号は勝手につけることはできないので、

 設置にあたっては、おばあさんを始め、地域の皆様のお力は大きかったと推測できます。

 時が経った頃、この信号に撤去の話が持ち上がったことがあったようです。

 しかし、地域の皆さんは大反対をしたということがわかりました。

 「この信号は、ただの信号ではない。おばあさんの思いのこもった信号だ。

 そう簡単には撤去はさせない」と。

 この有名なエピソードが本当かどうかを確かめてみました。

 実はこの話(エピソード)を覚えていてくださった方が

 この信号の近くに住んでいらっしゃいました。

 「信号が設置されたのは、今から60年近くも前の昭和40年代はじめ。今はもうない

 『すずや』という料理店をされていたおばあちゃんが、寄付をしてくださってできた

 とのこと。その額100万円。当時としては破格の寄付だった。」とのこと。

 今となってはこの逸話を知る人も少なくなってしまったようです。

 しかし、子どもたちの安全を願う地域の思いは今も変わらずにあります。

 この信号に込められた地域の方々の願い・思いをこれからもしっかりと

 受け継いで伝えていけたらと願っています。