2017年5月12日(金) 5月12日(金)部活動参観 全体会 挨拶

 本日は、お忙しい中、部活動の参観にお出かけくださりありがとうございました。

 部活動は、課外活動ではありますが、子どもたちが思いをかけて取り組んでいる活動ですので、保護者の皆さんと協力して、子どもたちのより良い成長のため後押しをしたいと思います。よろしくお願いします。 

 

 さて、今週初めから、1年生が正式入部し、部活動が本格的にスタートしています。私も何度か部活動の様子を見学に出かけていますが、どの部を参観しても、真剣なまなざしで活動に取り組む姿があり、授業とは違った緊張感が感じられます。

 部活動には不思議な魅力があります。私自身も部活動からたくさんの心の宝物をいただきました。一生忘れない思い出もあります。その中の一つ、28年ほど前に女子バスケットボールの顧問をしていた時のことをお話しします。

 Iさんという彼女は、スターぞろいのチームの中でとても地味な存在でした。スターぞろいというのは、学習も運動も成績が良くて、生徒会の役員をしているような活発で目立つ存在の子がたくさん集まったチームだったのですが、そのIさんは控え目で目立たない生徒でした。バスケットボールの部活動には休まずに黙々と練習に励み、チームのつなぎ役としてレギュラーメンバーで出場していました。その試合は、県大会出場をかけた試合でした。いつものようにつなぎ役の彼女は、試合の始めから中盤までは、まったく目立たずに、つなぎ役に徹していました。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、チームプレーでは、目立つエースばかりが集まってはなかなか勝てません。つなぎ役がとても大切です。そんな彼女が、1点を争う試合の、残り10秒ほどのところで、逆転の3ポイントシュートを決めたのです。シュートを決めた後に、ベンチに向かって走ってきて、目に涙をいっぱいにためて、ガッツポーズをしました。彼女もチームもこれで勝ったと喜びに沸きました。それまでの彼女のひたむきな姿をみんな知っているので、大きな歓声と祝福の嵐が巻き起こりました。2年前に25年ぶりにその子達と同窓会で会いました。その子と言ってもみんな40歳になっていましたが、今でもその時の話で盛り上がれる仲間として付き合っていました。

 そんな感動や一体感を心に残してくれる部活動を、四中の生徒たちにも味わってほしいなあというのが私の思いです。

 そんな思いを込めて、5月8日の部活動発足会では、生徒の皆さんに次のようなことを話しました。

 1つ目は、「人間力を高めるために部活動をしてほしい。」ということです。

 大会で勝つことやコンクールで入賞することなどは、目標として掲げてもよいですが、それは部活動の目的ではない。部活動を行うのは、同じ目標に向かって、一生懸命に仲間と取り組むことで、喜びを共にし、ぶつかり合いや擦れ違いを乗り越えることで、生きるための力を伸ばすことが大切だということです。そして、部活動で本当に力が身につけば、普段の学習や生活でも、友だちと協力することができ、あいさつや掃除ができるようになるのだと話しました。

 2つ目は、「結果が出た時に、まわりから祝福される仲間づくりをしてほしい。」ということです。

 試合で勝っても、コンクールで入賞しても、まわりの人たちに「あのチームが勝ったの!?」と言われるのは悲しい。礼儀やマナーができており、謙虚さがあってこそ、良い結果を出したことが認められることは、保護者の皆さんもよくご存じだと思います。この辺りは、子どもたちの身近にいる我々大人が、見本を示さないといけないと思います。四中の保護者の応援マナーは素晴らしいと言われるようにしていきましょう。

 3つ目は、「感謝の心を持ってほしい。」ということです。

 共に苦労する仲間、送り迎えやお弁当作り、道具や用具を準備してくれる保護者、勤務時間を超えて教えてくれる先生、そんなまわりの人たちに感謝できるようになってほしいと話しました。

 

顧問は、すべてがその競技や芸術の専門家ではありません。至らない点も多々あろうかと思います。外部コーチの方々にもたくさんお世話になりながら、一生懸命指導にあたります。ぜひとも、ご理解ご協力をお願いします。

また、体育館は新しくなり、とてもありがたいです。プールは6月下旬に完成予定ですし、テニスコートは秋に完成予定です。しかし、完成までの間、また、施設や設備が整っていない部活動に関しては、四中以外の施設や学校などをお借りして活動を行います。さらに、休日には四中以外での活動を行うことが多々あります。安全面の指導や送迎、お弁当作りなど保護者の皆さんにたくさんご協力をいただきますが、こちらもご理解ご協力をよろしくお願いします。

 

保護者の皆さんと学校職員で、共に、子どもたちのより良い成長のために、子どもたちへの支援をしていきましょう。本日は部活動参観日にご来光くださり、ありがとうございました。